こんにちは!
鹿に魅せられ、大学でジビエと狩猟のサークルを立ち上げて活動している、あかりんご(@akaringo252588)です!
皆さん、突然ですが鹿踊り(ししおどり)という踊りを見たことはありますか?
鹿踊りとは鹿角がついた衣装を着て太鼓を叩きながら踊る、伝統舞踊のことです。
とても厳かな雰囲気で、かっこいいですね!
そこで今回は、鹿踊りとは何なのか、そしてなぜ鹿踊りをするのかをご紹介します。
- 鹿の偶像化
信仰の対象を木や石を使って像にすること。 - 山伏修験(やまぶししゅげん)
仏教と日本独特の山への信仰が結びついた宗教を実践する人のことです。
300年続く鹿踊り
それでは、鹿踊りとはどういった行事なのでしょう?
鹿踊りは、岩手県や青森県、宮城県などで300年続く伝統舞踊です。
悪魔ばらいや豊作を願って、お盆や彼岸の秋祭りなどで行われます。
鹿踊りのルーツは獅子舞
鹿踊りは、獅子舞と深い関係があります。
獅子舞は獅子の面を被って踊るものです。
この獅子舞のモチーフは、日本列島に生息していないライオンです。
ライオンが霊獣として崇められていたインドで、それを偶像化した獅子舞が生まれました。
そして日本に伝わってきた獅子舞と、その頃行われていた鹿踊りが融合し、今のようになったと言われています。
鹿踊りに用いる衣装やお面を見ると、獅子舞と似ている部分が多々見受けられます。
幕踊りと太鼓踊り
実は鹿踊りには2種類あります。
踊り手が演奏するかしないかで分けられ
- 演奏しない→幕踊り
- 演奏する→太鼓踊り
です。
少し詳しく見ていきましょう。
一つ目は、幕踊りというもの。
踊り手が演奏をしない鹿踊りで、板製の鹿の角と30cmほどの腰ざしを付け、鹿頭からたらした布を両手に持って踊ります。
二つ目は、太鼓踊りです。
これは踊り手が自ら演奏を行う鹿踊りで、頭に本物の鹿角を付けて踊ります。
そして鹿のお面の側面からは髪の毛がブワッと流れており、厳かな雰囲気です。
この髪の毛は馬の毛を使っているようで、体を大きく動かすたびに揺れて踊りが大きく見えるポイントとなっています。
そして鹿踊りの特徴的な衣装といえば、「やなぎ」「ささら」と呼ばれる紙片で飾られた割った竹。
数メートルはある長い竹を頭につけて踊るのです。
この「やなぎ」や「ささら」は天に向かって伸びていることから、そこへ神様が降りてくる依り代(よりしろ)の役割があるのだとか。
そんな役割が込められていたんだね!深い!
鹿踊りに込められた意味
冒頭の動画でもあったように、鹿踊りは特徴的なステップやジャンプで構成されます。
そしてその動きには、それぞれ意味があるのです。
悪霊ばらい
鹿踊りには、ジャンプをしたり足を前に出すという動作があります。
これは山伏修験(やまぶししゅげん)などが行っていた反閇(へんばい)という呪術的なステップ。
ちなみに山伏修験とは、仏教と日本独特の山への信仰が結びついた宗教を実践する人のことです。
つまり、神や精霊などの超自然的な力や神秘的な力に働きかけて土地にいる悪霊を封じ込めるために鹿踊りをするのです。
弔い供養
実は鹿踊りの本質的な由来は、弔いにあると言われています。
すなわち死んだ者への供養です。
鹿踊りの由来には、こんなお話もあります。
浄土宗の普及を目指していた空也上人は、深山の小屋に閉じこもり修行をしていた。
空也上人は小屋の周りに遊びに来ていた鹿を可愛がっていたが、ある日鹿が撃ち殺されてしまう。
そんな鹿の弔い供養のために、踊り始めた。
このお話の他にも諸説ありますが、どれを見てもほとんどが亡くなった命への弔いが元になっています。
300年受け継がれてきた鹿踊り。
実は鹿に扮して行う芸能は万葉集や古事記にも登場するので、鹿踊り以前にもそういった伝統は日本に根付いていたのかもしれませんね。
鹿踊りから、鹿を考える
昔の人々にとって、鹿はもちろん食べるもの。
しかしその一方で、鹿踊りという伝統舞踊に鹿をモチーフとして起用するということは、山の神様のような立ち位置にあったとも考えられます。
それに比べると、現在は増えすぎた鹿を減らすという人間本位な立場から森林が語られています。
それは決して悪いことではありません。
だからこそ昔の人々が鹿をどのように捉えていたのかを鹿踊りから推し量るのは大切なことだと思いました。
だからこそ昔の人々が鹿をどのように捉えていたのかを鹿踊りから推し量ることが大切だと思いました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
- 鹿踊りは300年続く伝統舞踊
- 鹿踊りには、幕踊りと太鼓踊りの2種類
- 起源は諸説あるが命の供養という説がある