こんにちは!
鹿に魅せられて大学でサークルを立ち上げてしまった、あかりんご(@akaringo252588)です!
皆さん、皮って何?という質問に答えられますか?
今回は、動物の皮とは何かについて説明します。
鹿革・ブタ革・牛革を比較して、
特に鹿革の特性について詳しく説明をしたいと思います!
動物の皮とは何なのか?
それではまず、皮はどんな要素でできているのでしょうか?
皮は動物の表面を覆う一枚の大きな膜。
外側から
- 表皮
- 真皮
- 皮下組織
の3層から成り立っています。
一番外側にある表皮は死んだ細胞が隙間なく並んでいます。
表皮の一番深い層は基底層といい、ここで作られた細胞が押し上げられ表皮へと敷き詰められていくです。
表面に出た細胞はアカとなって皮膚から剥がれます。
皮、つまり皮膚はターンオーバーを繰り返して保たれているのです。
皮のほとんどは水でできている!
それでは、皮の成分について見ていきましょう。
まず、皮の60〜70%は水分でできています。
そして水分の次に大きな割合を占めるのがタンパク質です。
皮を構成するタンパク質の種類は、次のようになります。
- コラーゲン
- エラスチン
- ケラチン
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
全タンパク質の3分の1!コラーゲン
コラーゲンは全ての多細胞生物が持っているタンパク質であり、動物の全タンパク質の20〜30%はコラーゲンだと言われています。
コラーゲン分子は3本のアミノ酸の鎖からできており、らせん構造をとっています。
皮膚の中でもコラーゲンの含有量が高いと言われているのが真皮。
真皮以外には骨や腱、血管や筋肉など幅広い器官に存在します。
伸び縮みに重要なエラスチン
エラスチンは800以上のアミノ酸からなり、弾性線維の主要な構成成分です。
弾性線維とはその名の通り、伸び縮みに必要な線維。
拍動の衝撃を受ける血管や、運動の際に伸び縮みする靭帯などにも存在しています。
皮膚ではコラーゲンが真皮の線維成分として70%を占めているのに対して、エラスチンは3%ほどです。
髪の毛にも含まれるケラチン
ケラチンは構造が不均一なタンパク質です。
髪の毛の成分にもケラチンが含まれています。
豆知識 「なめす」とは?
新鮮皮には水分が多くコラーゲンがたくさん含まれています。
この状態で置いておくと、すぐ微生物に分解されて腐敗してしまいます。
これを防ぐためには、コラーゲンなど皮膚に含まれるタンパク質を、微生物が分解できない形にしなければなりません。
具体的には、なめし剤(クロムという金属や、タンニンというポリフェノール)を皮のタンパク質に結合させます。
この工程をなめすと言い、なめす工程を経た動物皮は「革」と呼ばれるのです。
皮が担う4つの機能
それでは、皮膚にはどのような機能があるのでしょう?
皮膚の機能は、大きく分けて4つあります。
- 保湿
- 体温調節
- 物理的なバリア
- 感覚器
それぞれについて説明していきます。
保湿〜体内の水分を守る〜
皮の表面にある表皮は、死んだ細胞が敷き詰まっています。
よって、水分子さえも通過できません。
よって、体内からの水分喪失を防ぐという役割もあります。
これは余談ですが、化粧水は表皮の角質層にしか行き渡っていません。表皮は水分を通さないからです。化粧品のCMをよく見ると、ぐんぐん浸透という謳い文句の後に必ず角質層(つまり表皮)までと書かれているので、機会があれば探してみてください。
体温調節〜汗や立毛筋で体温調節〜
皮膚は皮脂や汗を分泌します。
汗は蒸発する時に皮膚から熱を奪います。
よって上がりすぎた体温を下げる効果があるのです。
逆に寒い時には立毛筋という筋肉を収縮させます。
つまり鳥肌が立つんですね。
このように、皮膚は体温調節の機能があるのです。
微生物に対するバリア
皮の表面にある表皮は死んだ細胞が隙間なく並ぶ構造となっています。
実は細菌やウイルスは生きた細胞にしか感染できません。
よって、死んだ細胞で外側を覆うことで病原体に対するバリアができるのです。
また皮膚から分泌される弱酸性の皮脂は、細菌の繁殖を防ぐという役割もあります。
ボディーソープが弱酸性を売りにしているのは、この皮膚のバリア環境を崩さないように汚れを落とすことができるからなのです。
感覚器〜圧力や温度を感じる装置〜
皮膚には温度感覚や痛覚などの受容器があります。
他にも圧力を感じる圧覚、触覚などがあるのです。
皮膚はこういった受容器を介して外界からの刺激を脳に伝えているのです。
動物皮の中でも高機能な鹿革!
それでは、動物の種類によって皮はどのような違いがあるのでしょうか。
今回は牛革、ブタ革、鹿革についてそれぞれ比較しながら説明します。
牛革は最も流通量が多い万能革
革の中では最も流通量が多いのが、この牛革です。
他の革より大きく、そして傷が少ない上に
革の部位や牛の年齢、雌雄の違いによって呼び方が異なります。
つまり非常に種類が豊富であるため、様々な用途に使うことができるのです。
牛革の銀面は凹凸が小さく、均質なコラーゲン線維構造を持っているため比較的なめらかです。
銀面とは、革の製造過程で表皮を除去した真皮の表面のことだよ!
銀面は毛穴の大きさ、形状、配列の仕方によって様子が変わるんです!
通気性バツグンな豚革
豚革は比較的薄く、摩擦に強い革です。
毛が3本ずつまとまって皮膚を貫くような構造になっていて、通気性がよく靴や手袋などにも利用されています。
この毛穴によりブタ革は銀面の凹凸が大きく、毛穴模様が大きな特徴となっています。
薄くて手触りがよい鹿革
鹿革は他の革と比べて高い機能性を持っています。
その特徴は、なめらかな手触りです。
銀面の線維構造が比較的粗いため、なめし方によって柔軟な手触りになるのです。
また鹿革は吸湿性や保湿性に優れた手触りの良い革であると同時に、水にも強く長持ちします。
加えて水と油の汚れを同時に拭き取ることができ、手入れが簡単なことも鹿革の大きな特徴なのです。
まだまだ皮の奥は深い
動物革は、人類が氷河期を生き延びるためにとても重要でした。
よって革をなめす技術はいち早く発展したのです。
だからこそ歴史が長く、奥の深い分野なんですね。
今回はそんな革の原材料となる皮のお話をさせて頂きました。
皮は普段何気なく言っている身近な言葉ですが、いざ説明してと言われると困ってしまう方も多いのではないでしょうか?
今回の内容を、是非身の回りの方々と話してみてくださいね!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
- 皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造。
- 皮膚の機能は体温調節、保湿、感覚受容器、そして病原体の侵入防止。
- 鹿革は機能性が高く、江戸時代までは主流だった。