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カモシカは鹿なの?カモシカと鹿の違いを5つ挙げてみた!

こんにちは!

鹿ライターの、あかりんご(@akaringo252588)です!

皆さん、鹿とカモシカの違いってご存知ですか?

どちらも日本に生息する野生の草食動物で、名前も似ています。

でもこの2つの動物、実は全く違う動物なんです!

今回は、そんな鹿とカモシカの違いを5つ挙げてみました。

その生態の違いから、それぞれが起こす林業被害の違いについても触れていきます!

この記事で分かること
  • 鹿とカモシカの違い
  • カモシカはなぜ爆発的に増えない?
  • 鹿とカモシカの林業被害

鹿とカモシカの違い5選

今回比べるのは、5つの項目です。

  1. 分類
  2. 生息地
  3. 生息頭数
  4. 見た目
  5. 行動の特徴

それでは早速、それぞれの違いについて見ていきましょう。

カモシカは牛の仲間

まずは分類と生息地、生息頭数について見ていきます。

鹿とカモシカは同じ「しか」という名前が付いています。

ですが、カモシカは鹿ではありません

カモシカはヤギやウシの仲間であるウシ科

それに対して、鹿はシカ科です。

このウシ科とシカ科をまとめた大きな括りである鯨偶蹄目というグループにはどちらも入っていますが、全く違う科なのです。

また、生息地域も違います。

カモシカ分布の変化:一般社団法人 鳥獣管理技術協会「鳥獣管理フォーラム2016

カモシカは本州や四国、九州の標高1500~2000mの険しい山岳地帯に住んでいます。

カモシカは1925年に狩猟によって数が激減し、捕獲禁止動物に指定されました。

1955年には特別天然記念物に指定され、今も捕獲してはいけません。

そして現在、生息数は20万~30万頭程度と考えられています。

環境省「全国のニホンジカ及びイノシシの生息分布調査について」より

一方で、鹿は北海道を含むほぼ全国に分布しています。

上のカモシカの分布と比べても、北海道や九州にも多く生息することが分かります。

頭数は190万頭ほどで、ザックリ計算するとカモシカの6倍です。

鹿に見えるカモシカは牛の仲間

次に、見た目の違いについて見ていきましょう。

体の大きさは、カモシカが体長100~120cmであるのに対し、鹿が135~150cm。

体重については、カモシカが30~45kgなのに対して鹿が45~80kgと言われています。

鹿に比べると、カモシカはひと回り小さいような印象ですね。

カモシカの見た目

また見た目の違いは体の大きさだけではありません。

カモシカや鹿が持つ角にも違いがあります。

カモシカの角は枝分かれしておらず1本角です。

ヤギのように少し弧を描いて外側に向かって生えています。

そして角はオスもメスも持っており、生えかわることはありません

それに対して鹿の角は枝分かれしていて、オスにしか生えていません。

鹿角は春に生えてきて秋に完成し、冬には抜け落ちてしまいます。

このような鹿の角の性質から、鹿の角は「死と再生」を意味するものとしてギリシャ神話などに登場します。

なぜ鹿が増えてカモシカが増えない?

最後に、鹿とカモシカの行動の違いについて見ていきます。

その行動とは、縄張り意識が関係しています。

カモシカは、強い縄張り意識があります。

一頭一頭が群れを作らず個々で生活しているカモシカ。

オスが15ha、メスが10haほどの縄張りがあると言われています。

ここに同性のカモシカが入ってくると追い出そうとしますが、オスとメスの異性であれば繁殖期につがいとなり、その関係が長く続きます。

一方の鹿は群れを作って暮らします。

カモシカとは異なり、鹿のオスとメスはそれぞれ群れを作るのです。

そして繁殖期にはオスがメスの集団に入り込み、ハーレムを作って繁殖します。

あかりんご

秋に妊娠し春に出産するという繁殖行動は鹿もカモシカも共通だよ!

春は芽吹きの季節。餌が多いとお乳もいっぱい出るからだろうと考えられているよ!

カモシカは縄張りがあり、鹿にはない。

この生態の違いが、それぞれの動物の増えやすさにも関わっているのかもしれませんね。

番外編!鹿とカモシカの森林被害

林野庁「主要な野生鳥獣による森林被害面積

林野庁によると、野生動物による森林の被害面積は鹿が3.4千ha、カモシカが0.2千haとなっています。

つまり鹿もカモシカも、森林被害に関わる害獣なのです。

ただ、その生態の違いから、食害の性質も少し違いがあります。

今回は番外編として、鹿とカモシカの林業被害の違いをみていきましょう。

樹皮剥ぎをするのは鹿だけ

森林被害の一種に、樹皮剥ぎというものがあります。

樹皮剥ぎは、動物が樹皮を剥がしてしまうという被害です。

これにより木の成長が阻害されたり、木が枯れたりします。

この樹皮剥ぎを行うのは、実は鹿だけです。

カモシカは冬季にどれだけ食糧が不足しても樹皮を剥いで食べたという例は報告されていません。

一方でカモシカは植林されたばかりの幼樹の葉を食べるといった被害を起こします。

鹿も同様にこういった被害を起こすのですが…

カモシカは生息密度が低くても被害を起こすのに対し、鹿は生息密度が高い場合にのみ起こりやすいのです。

このように、鹿やカモシカの食性や生態の違いが森林被害の形態に現れています。

意外と違った!カモシカと鹿

同じ「しか」がついているため、鹿とカモシカを何となく同じカテゴリに入れていましたが、調べてみると違うところばかりで驚きました。

調べてみると、カモシカの由来もたくさんあるそうで…

  • 山の高い山岳(かま)に住んでいたから
  • 鴨みたいな肉の味だから
  • かもと呼ばれたフェルトにカモシカの毛を使ったから

などなど、諸説あるそうです。

ぜひ、今日会った誰かに鹿とカモシカの違い、教えてあげてみてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事のまとめ
  • 鹿もカモシカも反芻動物だが、鹿はシカ科でカモシカはウシ科。
  • カモシカは本州、四国、九州の山地に生息している。
  • 鹿は北海道を含むほぼ全国に分布している。
  • カモシカは強い縄張り意識があり、行動は基本的に単独。
ABOUT ME
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あかりんご
神戸大学農学部4回生。休学中。大学から畜産の勉強を始めるも、畜産の諸問題に直面し、日本で持続可能な「かっこいいお肉」を探し求め、鹿肉に出会う。日本の森で生まれ育った鹿を「和鹿」と名付け、鹿肉の利用率100%を目指し奮闘中。和鹿推進サークル み じ か 代表。