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ジビエの世界

猟師にきいた!イノシシ肉が美味しい時期と肉の特徴

近年、ジビエが気軽に味わえるようになって、食べる度に印象が変わるという人もいるのではないでしょうか?

もちろん、お店ごとの料理の仕方、味つけの仕方によって、ジビエの印象は変わります。

が、どうしようもない苦手なくさい味の肉も、正直、あります。

今回は、イノシシ肉がおいしいときと、かたくておいしくないときの差がうまれる理由や傾向を、イノシシ猟歴30年以上の現役猟師にきいてきました。

https://gibier.site/2019/10/11/inoshishi-oishi/

イノシシ肉の味に季節はそこまで関係ない?

イノシシは、”冬のお肉が脂身がのっていておいしい……。”

そう思っていませんか?

筆者は父親が猟師だったこともあり、18年間主にイノシシを食べて育ちましたが、ずっとそう思っていました。(そう言われていました!)

というのも、一般的に食べるイノシシのお肉は、11~3月の猟解禁時に獲ったもの。

つまり、冬にとれる肉を食べる機会が圧倒的に多いのです!

しかし最近、父が罠猟をはじめ、夏に駆除したイノシシを食べる機会も増えました。

結果、味に差はほとんどありませんでした。

時期によって多少の肉付きは変わるものの、季節での味の差は殆どないようです。

ただ、冬のイノシシの方が脂肪を蓄え、イノシシ料理で最も有名な牡丹鍋とする際には、脂が多い方がキレイであることや、

イノシシの脂は豚よりもさっぱりとしていて、美味しいということから冬のイノシシが美味しいと言われるようになったようです。

イノシシの味が変わる条件

では、イノシシの味に個体値で差があるのは何故でしょう。

今回は猟師の意見をもとにいろいろな要素から分析しました。

血抜きスピードと解体環境で変わるイノシシの味

一番肉の味の命運を分けるのが、なんといっても処理のスピードです。

新鮮な肉がうまいのは当然ですよね。

これは、狩猟で獲った肉でも、畜産で育てられた肉でも変わりません!

イノシシも、仕留めてからすぐに血抜きを行った肉と、
罠にかかって死んで少し時間がたった肉とではまったく味が変わります。
(死んでから捌いたものは臭くて食べられたものではありません…)

また、血抜きだけではなく、仕留めた後内臓を早めに抜くことや、体温を下げる事も重要です。

死んだのち、残った血の中に雑菌が湧くことにより腐敗臭(アンモニア臭)がすることが最も獣臭さの原因となります。

近くに沢があれば、イノシシをやまから運び出す前にそこで身体を冷やしておくのもひとつの手段です。

30〜40度程度が最も雑菌が湧きやすいと言われているため、それ以下にすることと、
沢の水で血抜きの効果も得られより新鮮な状態を保つことができるのです。

解体では肉を汚さないように、素早く内臓を抜き、清潔に手早く解体することがいい肉になる条件となります。

ズバリ、イノシシ肉の味の違いがうまれる大きな要因は、猟師の性格や手際でもあるのです。

食べるもので変わるイノシシの味

豚でも、食べるものや育つ環境の差でブランドになる豚がいます。

たとえば、イベリコ豚。

イベリコ豚は、放牧され山のどんぐりを食べて育ちます。

同じように、どんぐりを食べて育つイノシシはおいしいです。
(どんぐりには、植物性の脂質がたくさん含まれています!)

その差は、イノシシの生息エリアが広葉樹林が多いか、植林などの針葉樹林が多いかで決まります。

また、おいしい果物のある地域など、食べるものによって多少味や脂乗りの差がでてくるのは自然の摂理でもあります。

飼育されたイノシシと野生のイノシシに味の差や肉の違いがあるのも、同じような理由です。

同じ飼料を一定量食べたイノシシと、野生の中で生きるのに必要なものを取り入れたイノシシに味や肉のづきの差があるのは否めません。

また、飼育されたイノシシは野生より運動量が少ないので、脂身が異様に多いこともあります。

もちろん、飼育のイノシシは品質が安定することや、飼料の調整により味をコントロールできるという点で、野生よりは、優れている点も多々あります!

メスオスで変わるイノシシの味

イノシシをオスメスで食べ比べて毎回わかるほど、明確な差はありません。

しかし、猟師があまりおすすめしないのが、産後のメスのイノシシ

イノシシのウリである脂身が母乳にかわるため、肉付きがよくなく、肉も痩せてしまい硬くなります。

その中でも特に出産を繰り返した上で、大きくなったメスのイノシシはあまりおいしくないそうです。

また、発情期のオスのイノシシもおすすめされません。

メスとの交尾のため、フェロモンを身体中から発するため、人間には獣臭さが増すと言われています。

うりぼうとイノシシの味の差

うりぼう(生後3〜4ヶ月程度)を食べる機会はそこまで多くないでしょう。

実際狩りでうりぼうと出会っても、飼育用に確保することや逃がすこともあります。

が、場合によっては犬が噛みついて仕留めてしまうこともあります。

うりぼうや子シシの肉は、大人のイノシシに比べて明確にわかるくらい柔らかでおいしいです。

しかし、可食部は少ないですし、
有害鳥獣駆除でない限り、大人になるまで生かしておいてあげたいと思う人も多く、獲らない人も多いみたいですね。

結果、大人になって有害鳥獣として畑を荒らす原因となるため、基本的には獲れる場合には獲るのが良いでしょう。

体重で変わるイノシシの味

イノシシの味を左右するポイントとして、イノシシの大きさも重要な目安になります。

前述した通り、食べ物やオスメスの差はば食べてはっきりとわかるものではありません。

しかし、かたさや臭みを感じるポイントとして、痩せすぎ、太り過ぎという目安があります。

理想のおいしいイノシシの体重は、40~70㎏程度だといいます。

大物がとれると猟では盛り上がりますが、肉の質を知っている猟師的には、大きいほど肉をどうするか悩ましいときもあるようです。

大きいと肉が硬すぎるので、調理にも手間がかかるのです。

【まとめ】美味しいイノシシ肉の選び方

そんなわけで、美味しいイノシシの肉を得るポイントは3つです。

  • 猟師の手際のいい猟師がさばいたものか、ジビエ加工施設で加工されたもの
  • 広葉樹などが多くある山で育ったイノシシ
  • おいしい体重は40~70㎏程度

あまりいい肉にあたらなかったときはこんな条件から外れていたのかもしれません。

猟師でも、状況や個体によっては、肉の当たりはずれを感じるものです。

一回でイノシシの肉はこんなものと思うのではなく、いろんな場面で野生ならではの味の差も楽しんでみてください。

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さかもとみき
猟師の父を持ち、主に猪肉で育った野生児系ライター。