ジビエをもっと、あなたらしく。
ジビエを食べる人、つくる人、届ける人。 すべての人に、エールを。
ノウハウ

新米猟師必見!箱罠の種類から設置方法まで徹底解説

こんにちは!わな猟師のポチ夫です!

今回は箱罠についての解説です。

狩猟だけではなく、獣害対策でも良く使用される箱罠。

わな猟の中でも比較的オーソドックスな箱罠ですが、使い方や種類、仕掛け方は知っていますか?

ぽち夫
  • 箱罠っていったい何?
  • 箱罠の入手方法は?
  • 箱罠の仕掛け方は?
  • 捕獲した後はどうするの?

今回は以上のことを解説していきます!

箱罠は初心者のオススメ!だけど…

箱罠とは、扉がついた箱型の罠です。

金属などで作られた檻の中にケモノが入り、中のトリガーに触れると扉が閉まりケモノを閉じ込めます。

狩猟と聞くと銃を持って山に入っていく様子が想像されます。

ですが箱罠は基本的にエサを設置し、エサにつられたケモノを捕まえます。

また、基本的に箱罠は動かさずに決めた場所に長期間おいて置くことがほとんどです。

箱罠のメリットデメリット

それでは、箱罠にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょう?

くくり罠などと比べた時の特徴を挙げてみました。

メリット

箱罠は他の罠と比べると扱いやすく、初心者向きの罠と言えます。

くくり罠は、設置に経験や技術が必要になります。

ですが箱罠は仕掛ける場所で組み立てれば設置完了です。

また箱罠は捕まえた後のケモノの動きが制限されるので、止め刺し時の危険が少ないも特徴です。

箱罠に入ったイノシシ

デメリット

箱罠は、1人で動かすことが困難なほど重たいです。

分解すれば一人で持ち運ぶ事も可能ですが、箱罠を積んだ車から設置場所まで何往復するのはかなりの重労働になります。

また箱罠は、罠の中でもかなり高価な部類に入ります。

鹿やイノシシ用の大型なものなら、一般的に約10万程度かかります。

箱罠の種類

箱罠の狙いは、箱の中におびきよせ扉を閉めることです。

狙う獲物によってサイズが変わったり、トリガーの形状が異なるため、さまざまな種類があります。

一般的には2種類のサイズが主流です。

  1. イノシシや鹿を捕まえる大型の箱罠
  2. アライグマやハクビシン、アナグマなどを捕まえる小型の箱罠

それ以外にも、リスやネズミを捕まえる極小サイズから、クマ用のドラム缶を使ったものなどがあります。

トリガーは主に3種類

トリガーとは、箱罠の扉を閉めケモノを捕獲するための起動装置です。

今回は代表的な3つを紹介します。

蹴り糸方式

中に棒やワイヤーを張り、ケモノがそれに触った時に扉が落ちるトリガー。

大型の箱罠は一般的にはこのトリガーが用いられます。

箱罠にかかったイノシシ

踏み板方式

床に設置した踏み板に獲物が乗った瞬間、扉が閉まるトリガーです。

一般的に踏み板方式は、小型の箱罠に利用されます。

踏み板方式は、飼い猫などを捕まえるといった誤認捕獲をした際にも、怪我がしづらいトリガーです。

吊り餌方式

金属の棒などが箱罠の上からぶら下がっており、先端に餌をつける方法です。

ケモノが餌をつかんだり、咥えたりした瞬間扉が閉まるトリガーです。

主に手先が器用なアライグマなどに有効と言われています。

箱罠の入手方法

箱罠は自作も可能ですが、基本的には購入がメインになります。

自作する場合は金属を切ったり溶接する技術が必要になので、初めての箱罠で自作するのはハードルが高いため、あまりオススメしません。

ぽち夫

でも10万円以上するものも!!

なかなか手が出ない…。

そんな場合は、猟友会や自治体に連絡してみましょう。

貸出を行っている地域もあるので、自分で購入が難しい場合は、自治体などを頼ってみるのも良いでしょう。

自作にこだわるなら、これ!

また溶接の技術ナシで作れる箱罠も考案されているので紹介します。

この箱罠は中山間地域研究センターの小寺祐二氏が考案したワイヤーメッシュを利用した簡易の大型箱罠です。

箱わな
参考:鳥取県 イノシシ捕獲用の低コスト簡易型箱わな

この箱罠なら、総額18,000円ほどで作成可能です。

使用感としては、ものすごく軽いため2人いれば楽々持ち運びできます。

軽い分強度は落ちますが安く仕上げられるので、自作にこだわるならオススメです。

箱罠の仕掛け方

箱罠は大きさや形状ゆえ、隠すことが困難な「見えている罠」です。

そのため、仕掛ける場合は、ケモノの警戒心を緩める工夫が必要になります。

また箱罠が作動しているところを見られてしまうと、ケモノは箱罠を危ないものと認識し近寄らなくなります。

なので、獲る時は一発必中を狙うのが鉄則です。

それでは、これをふまえ設置方法について見ていきましょう。

下見を重ね設置場所を吟味

仕掛ける前に下見をします。

前もってどのケモノを捕まえるのか想定し、良く出没する場所通り道を探します。

ぬた場など、目的地に向かう道中は特にかかりやすい場所です。

ある程度目星をつけたら、次の2点をチェックします。

  1. 自動車で近づけるかどうか
  2. 罠の設置するスペースがあるか

大型の罠を仕掛ける際は、どちらも重要になります。

設置場所を決めたら、土地の所有者の許可が得られるか確認します。

ぽち夫

土地の所有者に断りもせず箱罠を仕掛けるとトラブルの元です!

必ず許可を得た上で仕掛けましょう。

土地の所有者に確認が取れたらついに設置です。

狙う動物種によって適切な箱罠を用意したら、仕掛けるポイントを意識して設置します。

設置のポイント
  • 平坦になっている場所を選ぶ
  • 藪や倒木の下に設置する
  • 箱罠の底面部分を土に埋め、踏んだ時の違和感をなくす

餌撒きは動物との心理戦

箱罠は動物の警戒心を解き中に入ってもらうことが重要です。

よって、箱罠の周りには餌を撒きます。

餌はバラバラに撒けばいい…という訳ではなく、ここにもポイントが3つあります。

  1. 箱罠の入り口周りに置き、ケモノをおびき寄せる
  2. 入り口そばに置き、警戒心を解く
  3. 箱罠内のトリガー(orトリガー奥)に仕掛け、トリガーを作動させる。

このように、3つの手順で動物が箱罠奥まで入るよう誘導するのです。

基本的に箱罠は警戒心を解く事が一番大事な部分。

よって箱罠奥に大量に餌を置いても効果は薄いと言われています。

あとは、しっかり餌を食べてるか、警戒していないかなどを逐一確認し、その都度適した餌の置き方を試してみるのが良いでしょう。

まさに、この工程は動物との心理戦と言えます。

餌は動物によって使い分けよう

餌の種類も捕まえたいケモノによって変わってきます。

猟師である僕が学んだ、ケモノ別のオススメの餌を紹介します。

イノシシ

米ぬかが圧倒的にオススメです。

サツマイモやクリなども好物なのですが、アライグマの誤捕獲につながります。

その点、アライグマは米ぬかを食べないので安心してしかけることができます。

米ぬかのイラスト
米ぬか

鹿

鹿も捕らえるとした米ぬかでしょうか。

また野菜やアオキなどの葉っぱも好物です。

葉を使う場合は枝ごと切り落とし、水に挿すなどして枯れないよう対策をしておきましょう。

アライグマなど

これらの小動物は、りんごやバナナなどがオススメです。

リンゴは基本的長持ちするので長期間取り替える必要がありません。

また、お菓子のキャラメルコーンが好物のようで、これもよくかかります。

しかし、ネコがかかってしまう恐れがあるので、近隣にネコがいる場合はやめておきましょう。

ぽち夫

これが正しい!という方法はなく、試行錯誤してみるのがオススメです。

箱罠にかかってる!…どうする?

捕獲後は自治体のルールに沿って適切に処理をします。

例えば、小型の箱罠でアライグマ等を捕まえた場合は、電殺器

大型の箱罠でイノシシ等を捕まえた場合は、電殺器ヤリなどで止めさしするのが一般的です。

しかしケモノが暴れ、スムーズに止めさしを行えない場合があります。

その際は箱罠の横から棒などを差し込み、箱罠の中のスペースを減らすのです。

なるべく身動きを封じてから止めさしを行います。

特にイノシシを止めさしする際は、ヤリが折れたり電殺器が壊れたりする事があります。

緊張感をもって臨んでください。

小型箱罠の捕獲後の注意!

ケモノが入った箱罠を水の中に沈め窒息死させる方法があります。

これはできる限り行わないようにしましょう

昔から行われている止めさしの方法ではありますが、病原体を水の中に撒き散らす恐れがある上、ケモノも長く苦しむのです。

できるだけケモノが苦しまない止めさしを選択してください。

小動物がかかったら、窒息はNG!

大型箱罠の捕獲後の注意点

どれだけ大きなイノシシがかかったとしても、猟銃を使うことは避けてください。

箱罠にあたり、跳弾する可能性があるため危険です。

大動物がかかったら、猟銃はNG!

小さな一歩から箱罠を始めよう!

今回は箱罠の種類や仕掛け方について紹介しました。

大型の箱罠は高価ですが、小型の箱罠なら3000円ほどで手に入ります。

一度実際に実物を手に入れることをオススメします。

また、先輩猟師を見つけることも上達の近道だと思います。

是非箱罠を利用して、充実したハンラーライフをお送りください!

ABOUT ME
ポチ夫
関東で狩猟免許を取得した新米猟師。狩猟と有害鳥獣駆除に携わりながら田舎でのんびり暮らしています。 趣味はマンガゲーム映画と完全にインドア派。できれば外に出たくない。