ジビエは高タンパク低カロリー…だけじゃないんです。
鉄分もビタミンも豊富…だけじゃないんです!
なんと機能性ペプチドが豊富に含まれていることが研究で分かってきました。
その機能とは、抗酸化作用や疲労軽減作用。
疲労感がある、老化が気になる。
そんな方に、ジビエ肉をおすすめする理由を紹介していきます!
高タンパク質で低カロリーなジビエ
ジビエとは野生動物のお肉という意味のフランス語です。
つまり、鹿やイノシシ、鴨など狩猟によって得られたお肉のこと。
そんなジビエは、家畜肉に比べて栄養素が豊富に含まれています。
例えば鹿肉では、カロリーは牛肉の半分以下にも関わらずタンパク質は1.3倍、鉄分は2倍も含まれています。
詳しくはこちらで解説しているので、気になった方は覗いてみてください!
栄養素とは、体を動かしたり健康を維持するために必要な成分のこと。
役割や構成物質によって[炭水化物、脂質、たんぱく質、無機質(ミネラル)、ビタミン]の5種類に分かれています。
ジビエにはこうした栄養素が多く含まれているので、必要な栄養をしっかり摂取できるのです。
美味しいヘルシー嬉しい!!
ですが…
ですが…?
ジビエのメリットは栄養素だけではありません!!!
えええ〜!!!
ジビエ肉に含まれる機能性ペプチドがすごい
ジビエには、機能性ペプチドや機能性アミノ酸が多く含まれることが分かっています。
例えば、アンセリン、カルノシン、カルニチンなどです。
知らない言葉がわっしょいわっしょいだ…
機能性ペプチドで高血圧予防!?
まず、機能性ペプチドや機能性アミノ酸とは何かというと…。
どちらも、先ほど栄養素のところで出てきたタンパク質の結合がプチプチ切れたもの、です。
2個以上のアミノ酸のペプチド結合によってできた化合物。アミノ酸の数によって、2個ならジペプチド、3個ならトリペプチドといい、2~10個程度の少数ならオリゴペプチド、10~100個と多数ならポリペプチドという。
参照:Webio辞書「ペプチド」より
タンパク質はアミノ酸という単位が連なってできています。
そのアミノ酸が数個だけ結合したものがペプチドです。
ペプ…ペプチ…ペプチド…プチプチ…
無数にあるペプチドやアミノ酸のうち、体の中でどんな機能を持つかが分かった分子については「こんな機能があるよ」という意味で機能性〇〇と呼ばれています。
例えばイワシに含まれるペプチドは、高血圧を予防する機能を持っていることが分かっています。
その他にも、免疫力を上げたり、血糖値を下げたりする機能を持つものもあります。
お父さんに教えてあげたい。
ジビエに含まれる機能性ペプチド
ジビエには、主に3つの機能性ペプチドが含まれています。
- アンセリン
- カルノシン
- カルチニン
この中から、鹿肉のアンセリンとカルノシンについて含有量を調べた実験結果がこちらです。
牛肉や豚肉に比べてアンセリンやカルノシンが非常に多く含まれていることが分かります。
鹿肉はカルニチンについても、牛肉より多く含まれていることが分かっています。
また、イノシシ肉についてもアンセリンが豚肉に比べて約2倍含まれていることが研究によって明らかになりました。
ジビエ肉すご!!!
それでは、これら機能性ペプチドの働きについて見ていきましょう。
①アンセリン
アンセリンは動物の筋肉中に含まれているペプチドです。
疲労感や肉体疲労を軽減する効果があり、実際に実験によって明らかになっています。
慢性的に疲労・ストレスを感じている男女32名を2つのグループに分け、それぞれアンセリンカプセル(アンセリン50mg/日含有)またはプラセボ(偽薬)カプセルを8週間摂取した。体感性を5段階でアンケートをとった。
結果、アンセリンを摂取したグループは摂取1週間後から疲労感の軽減が見られました。
アンセリンを多く含むのは鹿肉やイノシシ肉だったね!
②カルノシン
カルノシンの成分であるイミダゾールペプチドは、アミノ酸の一種です。
筋肉の中で作り出され、活性酸素を抑える働きがあります。
これにより、疲労軽減やアンチエイジング効果があることが分かっています。
もっと詳しく知りたい!
私たち人間はふだん、炭水化物や脂質からエネルギーを生み出しています。
そのエネルギーは体温の維持や呼吸などに使われているんです。
ですが激しい運動をする際にはもっと多くのエネルギーが必要になります。
よって体の中では体内でエネルギーを作る経路が活発になり、ここから疲れの原因となる活性酸素や乳酸が発生するのです。
カルノシンはこうした活性酸素や乳酸を抗酸化作用により抑える働きがあります。
これにより、長時間の運動をしても疲れを感じにくくなるのです。
ずっと泳いでいるマグロや、1万kmもの長距離を移動する渡り鳥の筋肉にもカルノシンが豊富に含まれていることが分かっています。
鹿肉を食べてカルノシンを摂取すれば走って世界一周できるかも!?
③カルニチン
カルニチンは、細胞の中でエネルギーを作るミトコンドリアの中にいます。
脂肪の代謝やエネルギーの生産に深く関与する物質です。
また、ミトコンドリアにて生成された有毒な物質を外に運び、蓄積するのを防ぐという重要な役割も担っています。
体内でも作られるのですが、加齢によってその量は減少するため食事から摂取することが望ましい、と考えられています。
肉の色が赤ければ赤いほど、カルニチン含有量が高くなると言われているため、赤身のジビエ肉には豊富に含まれていると考えられます。
実際、カルニチンは牛肉より鹿肉の方が多く含まれていることが分かっているよ!
まだまだ未知の機能性物質はある
今回は機能性ペプチド・機能性アミノ酸についてご紹介しました。
最近分かってきたこれらの物質も、おそらく氷山の一角。
まだまだ分かっていない栄養成分や機能成分がジビエ肉にはあるのかもしれません。
日本の山々を思いっきり駆け回って生きてきた野生動物だからこそ、そのパワーがお肉にはぎゅっと詰まっているんです。
また新しい機能成分が明らかになることを楽しみに…
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!