こんにちは!
あかりんご(@akaringo252588)です!
北欧といえば、ノルウェー!
そしてノルウェーといえばオーロラやサーモンですが
実は、これだけではありません。
ノルウェーでは、鹿の個体数管理に成功しているんです。
日本では増減が激しく管理に苦難している個体数管理。
なぜノルウェーでは鹿の個体数を一定に安定して保つことができているのでしょうか?
- ノルウェーの安全な狩猟システムとは?
- ノルウェーのジビエ事情は?
- 個体数を一定に保つための秘訣は?
日本との違いに注目しながら、ノルウェーの狩猟に迫っていきます!
ノルウェーの狩猟は楽しい週末行事
ノルウェーは北緯57〜71度にあるヨーロッパの国です。
ちなみに日本は北緯20〜46度だから、ノルウェーの方が北にあるってことだね!
国土面積は日本とほとんど同じですが、人口はわずか500万人。
ただ狩猟免許の所持者はとても多く、人口の4%にあたる約20万人にも及びます。
日本での狩猟免許所持者数も約20万人だけど、日本は人口が1.2億人いるから、割合的にはノルウェーの方が多い計算になるね!
ノルウェーの猟期は秋
ノルウェーの猟は、9月から10月の約1ヶ月間と決められています。
最初の1週間は仕事の休みをとって猟に出かけ、それ以降は毎週末に行くという猟師が多いそうです。
ちなみにノルウェーに生息している鹿はヘラジカ、アカシカ、トナカイ、ノロジカの4種類です。
特にヘラジカは世界一大きい鹿とされ、その大きさに、あの武井壮さんも驚いたのだとか…
車が遠くにあるはずなのに、ヘラジカの方が大きく見えますね。
遠近感が狂いそうなくらい、大きな鹿がノルウェーには生息しているんです。
ひょっとしたらニホンジカの2倍くらいはあるのでは…!?
ヘラジカ猟は一般的にグループで行われます。
職場の同僚や友人などからなる5〜6人で一つのチームで作り狩りへ出かけるのです。
猟場は市街地から車で1時間ほどしかかからない所もあり、その手軽さも狩猟の人気の一つなのかもしれません。
このようにノルウェーでは狩猟が一大風物詩となっているのです。
ノルウェーでの狩猟が安全なワケ
ノルウェーでの狩猟は安全だと言われています。
その理由は、狩猟のシステムにあります。
ノルウェーでは、狩猟をするために狩猟免許を取るのですが…
もう一つ、猟場の所有者に許可を取る必要があります。
これは土地を持っている人に狩猟権があるからです。
土地所有者は広大な土地を持っているため、複数の狩猟グループを迎え入れます。
この時、各狩猟チームには異なる猟区に行くよう指示します。
狩猟用の土地が割り当てられるんだね!
森の中で自分のチーム以外の人が狩猟をしているということがないため、猟師は安心して狩りを行うことができるのです。
また、どこで誰が何をしているのかが把握できるため緊急時の対応も素早く行うことができます。
無駄なく美味しいノルウェーのジビエ
ジビエとは野生鳥獣の肉を意味するフランス語です。
ヨーロッパでは昔から獲物を無駄なく調理して食べるという文化がありました。
その精神は今まで受け継がれ、ヨーロッパでは獲物を美味しく食べるための仕組みが備わっています。
それではノルウェーのジビエ事情について、見ていきましょう。
狩猟者が自ら販売する鹿肉
グループ猟で捕獲されたヘラジカは、内臓の摘出がその場ですぐに行われます。
そのヘラジカはすぐに、解体小屋に運ばれます。
この解体小屋は、猟師が土地所有者から借り受けているもので、猟場の近くにあります。
ここで皮を剥いだ後、天井から吊したまま4〜6日ほど放置します。
放置することにより熟成が進み、美味しいお肉になるのです。
日本では低い温度に保たれた冷蔵庫が用意されており、その中で熟成を行うことが一般的だよね。
でも、腐っちゃいそう…大丈夫なの?
ノルウェーは9月でも涼しいため虫もわかず、空調が無いような小屋でも熟成が可能のようです。
熟成が終わった鹿は4等分されて精肉などが行われます。
精肉が終わった鹿は、猟期が始まる前に募った購入希望者に分配します。
ノルウェーではこのように、猟師自身が肉の販売をすることが一般的です。
日本ではジビエ処理施設単位で販売をするのが一般的だよね!
季節限定の美味しいジビエを食べたいと、猟師の販売する肉はほとんどが完売してしまうそう。
もし余った時も食肉卸業者の存在により、肉が無駄になることは無いそうです。
なぜノルウェーは鹿の個体数管理に成功した?
ノルウェーは鹿の個体数管理において先進地と言われています。
まず、ノルウェーにはハッキリとした管理目的があります。
それは、鹿を資源として持続的に管理を行うことです。
そのために、ノルウェーでは安心安全な狩猟環境や、狩猟権やお肉販売による多様な経済価値の創出といった取り組みが見られました。
…ですが、もう一つ、重要なことがあるのです。
それは、徹底的なモニタリングと管理計画です。
報告義務でモニタリングを徹底
ノルウェーでは、猟期終了後に捕獲状況を報告することが義務になっています。
こういったモニタリングはノルウェー全土で行われ、調査がまんべんなく行われます。
北欧移住日誌のNileさんによると、狩猟免許を持っている人は毎年このページで捕獲量を報告するのだとか。
ちなみに、期限をすぎると3000円弱の罰金がかかるそう。
超厳密なカテゴリー分けの管理計画
モニタリング結果をもとに、行われるのは管理計画の作成です。
市町村に属する土地の管理者は次の年にどれくらいの鹿を捕獲するのかといった計画を立てます。
この管理計画にもポイントがあります。
より正確に2〜5年後の目標個体数に近づけるため、3つのカテゴリーに分けて捕獲許可数を決定するのです。
- 子
- 1歳以上の成獣のメス
- 1歳以上の成獣のオス
「1日◯頭まで」じゃなくて、もっと厳密な管理捕獲がされているんだね!
多くの猟場では捕獲許可数の半分以上が子鹿に割り当てられるので、成獣の鹿を見送ることも多いそう。
このように作られた管理計画は市町村のチェックを受けた後、実行されます。
狩猟大国ノルウェーに学ぶことは多い
人口の4%が狩猟免許を持っているというノルウェー。
その狩猟やジビエの文化は日本と全く違っていて、新鮮でした!
なんと言っても同僚たちと猟に出かける感覚は、驚きですね。
日本で言うキャンプのようなレジャー的位置付けなのでしょうか…。
日本の狩猟システム作りという点でも、個体数管理の先進地ノルウェーに学ぶ点は多そうです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!