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ジビエの仕事

ヨーロッパのジビエ流通システム!猟場から消費までの流れとは?

こんにちは!

最近は足元に鹿の毛皮を置いており

足がフカフカで仕事が捗りまくりな、あかりんご(@akaringo252588)です!

皆さん、ジビエという言葉を聞いたことはありますか?

鹿肉やイノシシ肉を意味するジビエは、最近日本でプチブーム。

ですが、まだまだ流通は確立されていません。

そこで今回は、日本の数十倍のジビエ消費量を誇る
ヨーロッパの国々のジビエ流通システムについて見ていきましょう。

この記事の目次
  • ジビエの本場はヨーロッパ
  • ヨーロッパのジビエ流通
  • なぜヨーロッパではジビエ経済が成立する?

あかりんご

日本との違いも、あかりんごがつぶやいていくよ!
早速、見ていこう!!

ジビエの本場 ヨーロッパ

いきなりですが、世界で一番、鹿肉が食べられている国をご存知ですか?

正解は…

そう、ドイツです!

ドイツでの年間消費量は約4万トンと言われています。

日本での鹿肉生産量はおおよそ約800トンなので、50倍ですね。

どれだけドイツの人が鹿肉をたくさん食べているかが分かります。

このようにヨーロッパではジビエ消費量が多く、狩猟も盛んに行われています。

ジビエはフランス語で野生動物のお肉

そもそも、ジビエという言葉の意味は何なのでしょう?

実はジビエはフランス語で野生動物の肉を指します。

その昔、狩猟はヨーロッパの上流貴族に限られた娯楽でした。

なぜなら、狩猟を行う猟場を持っていたのが貴族だけだったからです。

狩猟の獲物はシェフが腕をふるって調理し、ジビエとして食べられました。

このように高級料理としてジビエはヨーロッパに広がっていき、食文化として根付いていったのです。

ヨーロッパのジビエ流通システム

ヨーロッパのドイツでは鹿肉消費量が世界一です。

このように、ヨーロッパではジビエが一大産業として成立しています。

よってジビエが捕獲されてから消費までのルートが確立されているのです。

それでは、捕獲から消費までの過程を見ていきましょう。

ジビエ専門の食肉業者が流通基盤

まず、猟師さんが獲物を仕留めるところからジビエ流通は始まります。

ただ日本と違うのは、獲物の所有権が土地の所有者にあることです。

ヨーロッパの多くの国では狩猟権というものがあり、

  • 狩猟をする権利
  • 獲物の販売権

これらが、土地所有者にあるのです。

よって猟師さんは狩猟をする権利を土地所有者から購入し、狩猟を行います。

そして仕留められた獲物は、土地所有者が専門の食肉業者に販売します。

あかりんご

ここが日本と一番違うところじゃないかな?

日本では捕獲した猟師さんが獲物を持って帰るもんね。

あくまで肉資源は土地所有者のものという住み分けが、ジビエ利用を合理的なものにしているんだね!

ヨーロッパで仕留められた獲物はほぼ100%が出荷されます。

ここで専門の食肉業者へ販売したお肉の売上は土地所有者の収入になるのです。

この食肉業者は牛肉や豚肉など、家畜とは別のジビエ専門

だからこそ、ジビエ肉を効率的に流通させることができます。

あかりんご

ヨーロッパではスーパーでジビエを購入することができる地域もあるみたい!

流通システムのおかげだね〜!

なぜヨーロッパでジビエ経済が回るのか

日本では、ジビエ経済は生まれたばかりです。

補助金頼りのジビエ処理施設も少なくなく、ジビエ経済が回っている…

とは言いにくい状態です。

それでは、ヨーロッパでは一大産業としてジビエが成り立っているのはなぜでしょうか

ジビエ流通システムという観点から、これを見ていきましょう。

合理的なお金の流れがジビエを支える

ヨーロッパでは捕獲された獲物のほとんどが食肉業者へ回されています。

そこには合理的なお金の流れがあるのです。

狩猟で捕獲する獲物は、生息している土地の植物を食べて暮らします。

よって、獲物は土地の所有者が持つ資源を食べて育つとも言えます。

だから狩猟者は土地所有者にお金を払って、狩猟を行います。

ただ狩猟者は獲物を撃つ権利を得るために狩猟権を買い取るので、獲物自体は土地の所有者のもの。

よって土地の所有者は、獲物を販売してお金を得ます。

ここまでをまとめると…
このようなお金の流れができています。

  • 猟師→(狩猟というサービスを提供)→土地所有者
  • 食肉業者→土地所有者

そしてジビエ食肉業者はスーパーやレストランにお肉を卸します。

ここでのポイントは、それぞれの登場人物が最も合理的な行動をしていることにあります。

猟師さんは狩猟をするために土地所有者は資源を活かすためにジビエ食肉業者はお肉を販売するために動いているのです。

あかりんご

日本では狩猟が目的の猟師さんがジビエ利用まで行うという仕組み。

こうして見ると、ヨーロッパのジビエ流通は合理的だと言えるね。

日本のジビエを盛り上げたい

捕獲された獲物はほぼ100%が食肉業者に回っているヨーロッパ。

日本ではまだまだ到達できそうにないラインです。

確かに、大学にいる外国人留学生の子にジビエ利用率が10%くらい…という話をしたら、「モッタイナイネ…」と言われました。

だからこそ私は、もっとジビエを盛り上げたい!と強く思っています。

そのためには、さらなる需要の拡大や流通基盤の確率などが必要だと、改めて感じました。

ジビエの本場、ヨーロッパに学ぶことはやはり多いですね!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事のまとめ
  • 鹿肉消費量の世界一はドイツ
  • ヨーロッパではジビエ専門食肉業者が存在しジビエが一大産業に。
  • 獲物は土地所有者がほぼ100%流通に回す。
ABOUT ME
あかりんご
鹿肉専門のキッチンカーSHIKASHIKA店長。神戸大学で畜産を学び牛飼いを志すも「日本で持続可能な肉とは?」という問いをきっかけに、鹿肉と出会う。鹿肉を日本の肉文化に、をビジョンに掲げ、美味しい鹿肉料理を日々提供していたが、より美味しい鹿肉を求めて現在は北海道で鹿を捌いている。