こんにちは!
最近、狩猟免許に挑戦しようか悩み始めた、あかりんご(@akaringo252588)です!
突然ですが、皆さん!
マタギという言葉を聞いたことはありますか?
マタギは日本で生まれ広がった、狩猟文化の一つです。
なんと500年以上前からマタギという言葉は存在していました。
これは東北地方における「猟師」という意味。
今回はマタギとはどんな人々なのかについて、お話しします!
- マタギとは何者なのか?
- マタギ独特の文化とは?
- マタギという言葉の由来
- マタギの狩猟方法
マタギは山に住み、狩りをする人
マタギとは、集団でクマや鹿など大型動物の狩りをする人々です。
東北地方の山間部に住み、冬と春に狩猟を行ったとされます。
マタギは、マタギ組と呼ばれるグループを作って猟を行います。
1つのグループには10〜15人ほどが所属しており、年齢は10代後半から60代くらいまででした。
まずは獲物を追い立てる勢子という役割から始め、経験を積むのです。
そして彼らは全員が男性でした。
男性だけなのはきちんと理由があるんだ!
このあと説明するね!
マタギの狩猟は銃を使うのが一般的ですが、銃が普及したのは江戸時代。
それ以前は弓矢や槍などが使われていたそうです。
驚くべきことに、マタギは500年以上前から存在します。
初めてマタギという言葉が登場したのは、1654年に書かれた書物。
江戸時代より前から始まった文化なんです。
一般の人と分けてマタギと呼ばれることからも、彼らは里とは全く違う独自の文化を持っていたと分かります。
言葉は特別な山言葉を使い、厳しい自然を生き抜くために厳格な作法で統制をとっていたのです。
それが今では日本の伝統的な文化として注目されています。
マタギは「人間」を意味する言葉
マタギとは本来、「人間」を意味する言葉です。
これは、マタギが狩猟のために山に入った時だけに使用する隠語でした。
マタギ言葉が里にも広がり、「猟」または「狩猟をする人」という意味で使われるようになったのです。
マタギは東北で使われている言葉ですが、実は四国にも「マトギ」という言葉があります。
マタギととても似ていますね。
マトギとは、四国の山地で「猟」のことを指し、マタギと一緒の意味であることが分かります。
マタギとマトギ、何か関係性はあるのでしょうか…?
今回は、仮説の1つを紹介します。
平安時代には山地を移動しつつ狩猟や炭焼き、木こりなどをしていた人々は「山達(やまだち)」などと呼ばれていました。
山達は全国にいましたが、その中でも獲物が豊富で山が豊かだったのが四国と東北。
この2つの地域に山達が移り住み、東北ではマタギ、四国ではマトギと呼ばれるようになったと言われています。
- ヤマダチ…マダチ…マダヂ…マタギ
- ヤマダチ…マダチ…マドヂ…マトギ
あくまで仮説のひとつですが…
皆さんはどう思いましたか?
マタギ独特なしきたり
マタギは厳しい自然環境の中で生きるからこそ、独特の文化があります。
今回はその中でも2つを紹介します。
山の神に対する信仰
一つ目に、山の神様に対する信仰です。
大雨、地震、台風など自然の力は恐ろしく、人間は力を合わせても立ち向かえるものではありません。
森は豊かな反面、ちょっとした気の緩みで命を落としてしまう恐ろしい場所です。
よってマタギ達は、山への感謝と恐れを忘れずに持っており、神聖な場所として信仰していたと考えられています。
またマタギが信仰する山の神様は女性だと考えられています。
この神様はとても嫉妬深く、山へ女性を同行させることは禁忌だったと言います。
だからマタギは男性だけなんだね!
しかし今現在、マタギは「狩猟をする人」という大きなくくりで用いられることも多くなりました。
「マタギ女子」という言葉も使われるようになり、現代ならではの解釈が広まりつつあります。
男女の区別なく、誰でもマタギになれるのが今の時代なのかもしれません。
獲物は平等に分け、決して獲りすぎない
二つ目のルールは、捕獲した獲物の分配方法です。
マタギには狩りを全員で行い、獲物は平等に分けます。
気候や季節に左右される山間地では生活が不安定。
そんな厳しい生活を乗り越えるために協力する必要があったのです。
マタギは、やたらに動物の命を奪っているのではありません。
山の動物の数をゼロにしないために、親子連れのクマは撃たないなどの独自のルールを持って活動していました。
マタギは昔から山の野生動物の頭数管理も行っていたのです。
獲物は平等に分ける、というルールも、獲物を独占することで起こる獲りすぎを防ぐためにあるのかもしれませんね。
謎に包まれたマタギの狩り
マタギは山間部で狩猟を行っていましたが、その狩猟方法については記録がありません。
ですが明治時代以降の聞き取り調査から、伝統的な狩猟方法は2つあることが分かりました。
それは巻狩りと忍び猟です。
巻狩りはチーム戦
巻狩りは、15人ほどの集団で行います。
それぞれに役割がありクマを狙う場合
- 全体を指揮する「ムカダテ」
- クマを追い立てる「セコ」
- クマを撃つ「ブッパ」
- 鉄砲を補助する「フンギリ」
などがあります。
当時、撃ち取った動物はほとんど資源として有効活用していました。
よって獲物を仕留める時にはできるだけ肉や内臓を痛めずに急所を狙う必要があったのです。
おぉ…難しそう…
例えばクマであれば、肉や薬となる胆のうを痛めないように、脇のあたりを狙う必要がありました。
これはとても小さい範囲で、獲物を撃つブッパは限られた急所を狙うことができる凄腕猟師が担当したと考えられます。
このようにマタギはチームプレイで狩猟を行ったと言われています。
当時は銃の性能も良くなかったため、協力して獲物を仕留めるという方法が受け継がれていたのではないでしょうか。
抜き足、差し足、忍び猟
忍び猟は、1人で山へ入り狩猟を行う方法です。
これはマタギ言葉で「忍び」と言い、青森県の下北半島などでよく行われていたと言われています。
忍び猟は、巻狩りのように獲物を追い立てて迎え撃つ、という方法とは少し違います。
つまり自分で獲物に近付き、仕留める必要があるのです。
巻狩りとは全く違う方法があるんだね!
足跡やフン、毛など動物の痕跡を辿って、山へ入っていきます。
どれだけ静かに、気付かれないように近付くかがポイント。
「忍び」という言葉が付くのも納得です。
ちなみに巻狩りや忍び猟は現在でも行われている狩猟の方法。
科学技術は発展していけど狩猟の本流は長い歴史を持ち、変わらず日本に流れているのです。
消えゆくマタギ文化とこれから
マタギは現在、消滅しつつあります。
その理由は、家畜肉文化への変化や狩猟の効率化が進んだこと。
山に入らなくてもスーパーで肉が買えるようになり、狩猟は趣味として位置付けられることが多くなりました。
飽食の現在、獲物の隅から隅までを利用せずとも餓死するわけではありません。
ですがこんな今の時代だからこそ、もう一度こうした日本のマタギ文化に触れることが大切なのではないでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
- マタギとは「狩猟をする人」という意味。
- 山に対する感謝と恐れが信仰に繋がった。
- 獲物を平等に分配するルールがあった。
- 巻狩り、忍び猟はマタギの伝統的な狩猟方法でもあった。