こんにちは、
猟師なりたての頃はよくマダニに咬まれていました。わな猟師のポチ夫(@yamanouenokazu)です!
今回は、マダニの危険性や、咬まれた時の対処法についてご紹介させていただきます。
マダニは危険!
なんて言葉をよく耳にしますが、なにがどう危険なのか?対策はどうしたらいいのか?なかなか知る機会ってないですよね。
僕は以前はたくさん咬まれていたのですが、お医者さんに対策を聞いてから一度も咬まれなくなりました。そんな僕がマダニに関して知りうる知識を余すとこなくお伝えします。
この記事では、
- マダニってなんで危険なの?SFTSとは・・・?
- マダニに咬まれてしまった!助けて!!
- 咬まれないための対策は?
- マダニに有効な虫除けスプレーってあるの?
そんな疑問を解決できる記事になっています。
是非参考にしてみてくださいね!
マダニは感染症の宝庫
そもそもマダニはなぜ危険なのでしょうか?
咬まれると痛い?毒がある?
いいえ違います。
マダニはウイルスや細菌をたくさん保有しており、最悪死に至る感染症になる恐れがあるのです。
以下、マダニに咬まれた際にかかる有名な感染症を簡単にですがご紹介します。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
咬まれてから6日~2週間程度で発症。原因不明の発熱や消化器症状が中心です。
頭痛や筋肉痛、神経症状がおこることもあり、リンパ節腫脹や呼吸器症状、出血症状など様々な症状を引き起こします。
また、重症化すると6%〜30%は死亡する恐れがあります。
日本紅斑熱
咬まれてから、2~8日後に発症。高熱、発疹、刺し口が赤く腫れ中心部がかさぶたになるのが特徴です。
紅斑は高熱とともに四肢や体幹部に拡がっていきますが、痒くなったり、痛くなったりすることはありません。治療が遅れれば重症化や死亡する場合もあります。
ライム病
咬まれてから1~3週間後に発症。咬まれた部分を中心に遊走性紅斑という皮膚症状があらわれます。
また、だるさや頭痛、関節痛、リンパの腫れなどインフルエンザ様症状を伴うおそれもあります。症状が進むと神経症状、心疾患、眼症状、筋肉炎、慢性関節炎、などの症状がみられます。
回帰病
咬まれてから15 日前後で発症。発熱や重度の頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛、全身のだるさなどの風邪のような症状があらわれます。
また神経症状、リンパ節腫脹、呼吸不全、出血症状が現れます。
などなど・・・(怖すぎます)
特にSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は発症した場合は、致死率3割とも言われています。
知らず知らずのうちにマダニに咬まれて命を失う…
そんなことにはならないように注意したいですね。
また、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)に関しては、実際に身内の方が感染してしまった実録記事があります。
感染症に関する詳しい情報はそちらにのっていますので是非ご覧ください。
では、次はマダニの生態系について見ていきましょう。
春〜秋にかけてはマダニに注意!
マダニが活発に活動するのは春から秋(3月〜11月)の間です。
山に入る時には最新の注意を払いましょう。
また、人間以外にも、鹿やイノシシ、ネズミやウサギ。
散歩中のネコやイヌも咬まれ吸血されていることがあるため、ペットを外で飼われている方は注意が必要です。
猟師に限っては、冬場もイノシシや鹿には寄生していることが多いため、季節を問わず注意しましょう。
噛まれた時の対処法
では、マダニに噛まれてしまった時は、どんな対処法をとればいいでしょうか。
マダニに咬まれてしまった場合の対処法はいくつか種類があります。
- ピンセットを使い処理する
- ワセリンを使って処理する
- 皮膚科を受診し切除してもらう。
それではそれぞれ解説していきます。
ピンセットを使い処理する
咬まれて24時間以内の早期発見なら、ピンセットでマダニを除去できる可能性があります。
- ピンセット等で咬みついたマダニ個体の根本部分(口器付近)を挟む。
- 左右に何度か回転させたり、虫体を裏返したり元に戻したりを繰り返す。
- マダニ口器がちぎれないように慎重に引き抜くこと
もし、マダニがちぎれ、口器部分が体内に残ってしまうと、病原体が体内に流入してしまったり、化膿や結節の原因も高くなります。
無理に引き剥がそうとせずに取れる時はポロリと取れるので試してみましょう。
ワセリンを使って処理する
こちらはマダニ類に咬まれてから1〜2日以内であれば効果があると言われているワセリンを使った方法です。
上記で解説したピンセットのみの除去方法よりもマダニの体がちぎれるリスクが減るためオススメです。
- 皮膚に食いついたマダニ個体の上にワセリンなどを厚く塗る
- そのまま30分程度で放置する。
- ピンセットやガーゼなどを使い、優しくマダニを除去する
ちなみに、ワセリンに限らず軟膏やバターなど油脂性成分のものなら同様の効果が得られるそうです。
皮膚科などを受診する
マダニは咬みついてから24時間以上経つと、口からセメント様物質といわれる接着剤を放出し、皮膚にくっついてしまいます。
こうなってしまうと上記の除去方法では除去をするのが困難になる為、医療機関を受診する必要があります。
医療機関では、局所麻酔をかけた後にマダニ周囲の皮膚ごとメスで切り取ります。マダニを周辺の皮膚ごとを取り除くため、病原体の感染を防ぐ効果が高いとされています。
うちの妻もマダニに咬まれたことがあるのですが、気付いた時にはセメント用物質でガチガチにくっついたあとだったので、皮膚科を受診し切除してもらいました。
麻酔を打った後、5mm程度除去したようです。
痛みはなかったようですが、いまでも1~2mmほどあとが残ってしまいました。
その時に、先生から、病院を受診して正解ですよ。
と言われたので、安全をとるならやはりなるべく病院にかかることをオススメします。
早く気づいてあげられなくて、ほんとにごめん🙏
マダニに咬まれないための対策
マダニの対策として一番効果的なのは、そもそもマダニを身体に付着させないこと。
当たり前のことではありますが、注意点などを踏まえて確認していきましょう。
皮膚の露出をふせぐこと
皮膚に露出を防げばそれだけマダニの付着を予防できます。
長袖、長ズボン、靴、帽子、手袋。首にはタオルを巻くと良いでしょう。
シャツはズボンの中に入れ、ズボンは長ぐつの中に入れましょう。
また、衣類は目視で確認しやすい明るい色を使ったもので、マダニがつきづらい化学繊維素材を使ったものがオススメです。
虫除けスプレーを使う
また、マダニには虫除けスプレーが効果的です。
皮膚の露出を防ぎ、しっかり効果のある虫除けスプレーを使用すれば対策はより強固なものになるでしょう。
ただし、虫除けスプレーならなんでも良いというわけではなく、マダニに効果のあるスプレーとそうでないものがあるので注意が必要です。
オススメなのは、ディートが配合されている虫除けスプレー。
濃度も色々あるのですが、30%配合の虫除けスプレーが一番強力でなのでオススメです。
しかし、ディート配合の虫除けスプレーは、大人専用とのことなので、お子様にはイカリジン配合の虫除けスプレーをお使いください!
家や車に入る前に
山から戻ってきたら、車や建物に入る前に、全身をはらいましょう。
特に首元や、帽子から出ている頭など、マダニがくっつきやすいところを重点的に払います。
もし2人以上でいる場合は目視で確認しあえるとベストです
その後、なるべく早くお風呂に入り、改めて全身を確認すると良いでしょう。
山に入るなら対策を
今回はマダニの危険性とその対策や対処法について解説しました。
マダニに噛まれると、SFTS等の恐ろしい感染症にかかる恐れがあります。
早期発見であれば自分で処置はできますが、できる限り病院にかかることをオススメします。
またマダニ対策で一番大切なのは、しっかりとした対策と早期発見!
これを気をつけていれば大事にいたることもないでしょう!
そして、山の中をハイキングする時や狩猟をする際は、必ずマダニ対策はしっかりと行うようにしましょう!
それが自分や家族の命を守ることにつながります。