レストランでのディナーや、イベントでのフードコーナーでも目にする機会の増えたジビエ。
政府の後押しでジビエの鳥獣加工施設も増え、猟師やその家族じゃなくても食べようと思えば安全なジビエを食べられる機会も増えてきました。
そんな中、鳥獣加工施設のあるエリアでは、気軽にジビエを食べてもらえるような取り組みも増えてきています。
ジビエが身近な給食に!
例えば、給食にジビエがでる幼稚園や学校が全国で出てきています。
確かに、給食は地域色が色濃くでるものかもしれません。
昔は鯨が給食に出ていた時代もありました。
地域にとって親しみのある食材が利用され、給食としてでることはごく自然なことです。
地域差はあれど、全国に鳥獣加工施設も増え、認可制度も整ってきている今、給食にジビエがでるのも時代の流れの一つかもしれません。
鳥獣加工施設のある地方のジビエ給食
野生の動物であり、個体値に差があるジビエを安心して食べるには、厳しい安全基準を満たす必要があります。
地域の食肉加工業者では、駆除したイノシシや鹿を安全かつおいしく食べられるよう、国や自治体が制定するガイドラインを取り入れ、鳥獣加工施設を利用して精肉しています。
2018年には国産ジビエ認証も制定され、国と地域の両方からジビエを安心にたべることのできる環境がだんだん整ってきました。
給食に使われているジビエも、猟師がさばいたものではなく、食肉加工施設を通して購入しており、安心してジビエを食することができるようになっています。
給食にでたジビエは何肉?
主に利用されているのは、ほぼ鹿やイノシシの肉です。
鳥獣加工施設からブロック、ミンチ、加工肉などで仕入れ、献立に反映しています。
給食にジビエを取り入れるのは、肉をたべてもらうことのほかにいくつか狙いを持っている自治体が多い傾向があるようです。
狙いとしては、
- 地元ブランドジビエの認知
- 食育の観点
- 地域の鳥獣問題に気づくきっかけ
などがあります。
ジビエが身近では無かった人も、給食を通して自分達の住む土地の問題や課題を身近に感じられるようになるのが狙いです。
給食にでたジビエのメニューラインナップ
ジビエが給食にでるとニュースで取り上げられることが多く、そこで紹介されるメニューは多種多様でした。
- ドライカレー
- ミートスパゲティ
- シチュー
- コロッケ
- ラザニア
- カレー
- ぼたん汁
- マーボー丼
- タコライス
- ポトフ
- 餃子
給食に出るジビエは我々大人からするとジビエで食べたことのないようなメニューが多くみられます。
ミンチにしたり、加工したり、ひと手間かけることで、ジビエのハードルを下げ、みんなが抵抗なく食べられるよう工夫されているのを感じます。
中には一緒に調理したり、猟師との交流を持つ自治体もありました。
政府も、安価・安全で美味しい給食メニュー開発 を推奨し、ジビエ料理コンテスト〈学校給食部門〉も設け、ジビエを給食に取り入れる試みの後押しをしています。
今後ジビエに強い地区から広がっていき、給食でより多くの子どもたちがジビエを食するようになるかもしれません。
給食に取り入れる時の工夫や課題
ラインナップからもわかるよう、給食に利用される際の工夫としては、
- ミンチとして利用
- 香辛料などで臭みを消す
- ソーセージなどに加工して利用
などがみられます。
中にはボタン汁など、ジビエの味を感じられるものもありますが、ジビエを嫌いにならないよう、万人受けするよう工夫して提供している印象です。
中にはジビエは高価なので継続して続けられるかわからないとする自治体もあり、食べてもらうための工夫というよりは予算などの課題が先行していそうです。
給食を食べた生徒の感想
生徒たちから出る感想も、
「美味しい」
「いつも食べるお肉と変わらない」
など、ニュースではポジティブな感想がとりあげられていました。
ジビエに抵抗がある子どもや保護者がいるようですが、繰り返し給食で出すことで抵抗感が和らいでいる地域もあるようです。
給食からジビエを身近に
猟師やその家族以外はなかなかなじみのないジビエ。それが今や、政府のあとおしもあり、だんだん身近になっています。
給食ジビエは、食を通して、地域に生息するイノシシや鹿の存在を意識し、生き物の命をいただくことを学ぶいい機会になる可能性があります。
「美味しい」だけじゃなく、生徒たちに地元に関心をもってもらうきっかけになると嬉しいですね。