こんにちは!鹿肉専門のキッチンカーSHIKASHIKA店長のあかりんご(@akaringo252588)です。
鹿肉やイノシシ肉といったジビエ肉には、栄養がたっぷり。
タンパク質や鉄分などが豊富なのは周知の通りですが…
ビタミンも豊富なことをご存じですか?
でもビタミンって…大事なのは分かるけどどういう働きしてるんだっけ、という方も多いのではないでしょうか?
今回は、ビタミンの働きやジビエ肉から摂取するメリット、おすすめの食べ方も紹介していきます!
ビタミンは体内で合成不可の必須栄養素
エネルギー産生栄養素に比べ微量ではあるものの、人体の機能を正常に保つため必要な有機化合物。体内ではほとんど合成することができないため、食物から摂取する必要がある。
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「ビタミン」より
なんだか分かりにくい表現ですが、毎日生きていく上で摂取する必要がある必須の栄養素ということになります。
炭水化物や脂質、タンパク質は体をつくったりエネルギーをつくるのに必要です。
一方でビタミンは体の調子を整える潤滑油のような存在です。
少ない量でいいけど、なくてはならない。
そんな必須要素となっています。
なのでビタミンは5大栄養素の中の一つとして数えられているんです。
ビタミンは13種類!ジビエ肉に多いのは…
体によって必須の役割を果たすビタミンは、13種類もあるんです。
水に溶けるか、脂に溶けるかや、その機能・性質によって分けられています。
これら全部を説明するのは…ちょっと気が引けると思うので(笑)ジビエ肉に関わりがある部分だけを抜粋してお伝えします。
一般的にお肉に含まれるビタミン類といえば、ビタミンB群やナイアシン、葉酸などです。
それぞれの役割を簡単にまとめてみました。
これらビタミンは、アミノ酸の代謝を助ける、神経伝達物質の合成を助ける…など、体を陰で支えてくれていることが分かります。
ビタミンたち、いつもありがとう…!
それでは次に、これらビタミンを含むジビエ肉と家畜肉の栄養成分を比較してみましょう。
- 鹿肉は牛肉に比べてビタミンB1が2倍以上
- イノシシ肉は豚肉と比べてビタミンB12が3倍以上
- ナイアシンは家畜肉と比べジビエ肉が約0.1mg多く含まれる。
ビタミン類は摂取する私たちにとっても、それを有していた動物たちにとっても必要な微量栄養素なので、動物によってさほど含有量が変化する訳ではありません。
タンパク質では10グラム単位で違いが表れていましたが、ビタミンだと0.1mg単位の差です。
もはや誤差(笑)ではありますが、お肉にはこれらビタミンが含まれているのです。
ジビエ肉と家畜肉の詳しい比較は、こちらの記事をチェック!
毎年3万人が亡くなった脚気はビタミンB不足が原因
逆にビタミンBが欠乏してしまうと、脚気という病気にかかることが分かっています。
実はこの脚気、明治時代に日本で大流行した歴史があります。
全身の倦怠感、食欲不振、手足の痺れ、足のむくみから始まり、末梢神経や中枢神経が冒され足元がおぼつかなくなったり、重症化すると心不全で亡くなるケースも相次ぎました。
当時、食事の主流となっていたのは白米のみという偏った献立。
玄米を中心に副菜も多く摂取していた食生活から、白米中心の食生活に切り替わったタイミングで脚気が大量発生したのです。
この時代、毎年1~3万人の人が亡くなったと推測されます。
理由は、精米によって白米の表面についているぬか層が剥がれ落ちることでした。
ぬか層にはビタミンB1が豊富に含まれており、ビタミンB1不足となって脚気を発症したのです。
サプリはダメ?ジビエでビタミン摂取のメリット
ビタミンは微量の摂取でOK。
よって薬局ではビタミンごとに摂取できるサプリメントが販売されています。
なので栄養学的にはこれで万事解決…
なのですが、ここで食べるということの機能についてもう一度振り返ってみましょう。
まず食品の機能として一番大切なのは栄養をとることです。
次に、食の二次機能として味や香りなどの感覚を楽しむというものです。
この感覚も、適切な栄養を適切な量で摂取するために生まれたものですが、やっぱり美味しいって幸せですよね。
食品の方が体積があるので、摂りすぎの防止にもなっていると言われているよ!
最後に、食品の三次機能として、体調調節が挙げられます。
ジビエ肉でいえば、家畜肉に比べ脂質が少なくタンパク質や鉄分が豊富なことで、体にとってのメリットが大きいと言えます。
そして実はビタミンやタンパク質、ミネラル、そしてビタミンなど、分かっていて名前がついている栄養素以外にも未知の成分が存在しています。
つまり、お肉を食べることはそこに含まれる未知の栄養素を摂取していることにもなるのです。
未知の栄養素…!?なんだか…ワクワク!!
もしかすると脚気のように、現在謎の不調を訴える人の原因が新栄養素の欠乏だったなんて話もあるかもしれませんね。
よってサプリでもビタミンを摂取することはできますが、食品として栄養を補うのがおすすめなんです。
ビタミン摂取目安とオススメの食べ方
ビタミンの摂取目安はズバリ…
新鮮な野菜をたっぷり使い、いろんな食材を調理してバランスよく食べること。
え…当たり前すぎて参考にならないよ…
摂取基準量はありますが、ビタミン必要量は微量で種類も多いです。
よって数値を満たすように工夫するというよりかは、食事の品目数を上げることがビタミン不足対策に繋がると思われます。
ただ、ビタミンは、その方が今いる環境や生活習慣によっても必要量が変化します。
運動をよくする方はビタミンB1やビタミンB2を意識して摂取した方が良いでしょう。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換する酵素として働き、ビタミンB2は糖質と脂質の代謝を助けます。
これらは運動量が多い方は消費量も多くなるからです。
また、貧血気味の方は、もしかしたらビタミンB12が不足しているかもしれません。
貧血の原因は大きく分けて2つあります。
- 酸素を運ぶ赤血球が必要な量つくられない。
- 赤血球が過剰に破壊されてしまう。
ビタミンB12が欠乏すると、起こるのは前者。
赤血球を作るために必要な材料が不足し、必要量が足りず貧血を起こすのです。
また、夏はビタミン不足に陥りやすい季節と言われています。
夏はたくさん汗をかきますが、そこで水溶性のミネラルやビタミンが失われるのです。
塩分補給も大切ですが、ビタミン補給も欠かさずに。
食べる時は一滴も逃さず!
ビタミンB群は水に溶ける水溶性ビタミン。
よって、茹でる調理法はビタミン摂取という点ではもったいない気がします。
塊肉を丸ごと焼いてローストにしたり、シチューやぼたん鍋などで食べるのがオススメです。
ぜひ、美味しく楽しく機能的に、ジビエを楽しんでいただけたらと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!